母乳の成分

赤ちゃんに必要な栄養素が豊富

成分

母乳には赤ちゃんに必要な栄養素や免疫物質が多く含まれていて、赤ちゃんが消化・吸収しやすい形になっています。 ここでは、母乳に含まれる栄養素について解説します。 母乳の成分は、赤ちゃんの月齢によって含まれる栄養成分が変わってきますが、栄養素や免疫成分がなくなるということはありません。

理想の栄養

母乳には赤ちゃんが成長するうえで必要とされる100以上もの栄養素がちょうど良い濃度で含まれており、赤ちゃんにとっては理想の栄養食です。ここでは母乳に含まれる主な成分を説明します。

たんぱく質

母乳の中に含まれるたんぱく質は、牛乳に含まれるたんぱく質とは組成が異なります。母乳に多く含まれるたんぱく質は赤ちゃんが消化しやすく、栄養価も高いのが特徴です。なお、母乳中のたんぱく質濃度は母親の食事の内容によって変化することはありません。

脂肪

母乳に含まれる脂肪は、赤ちゃんにとって主要なエネルギー源になります。脂肪濃度は母親の食べるものによって影響されるため授乳のたびに変化し、また1回の授乳でも飲み始めと飲み終わりとで異なります。飲み始めは赤ちゃんのお腹がもたれないように脂肪濃度の低いものが出て、次第に濃度の高い母乳が出てくる仕組みとなっています。また、母乳には脂肪分解酵素も含まれているので脂肪は効率よく消化され、赤ちゃんの栄養となります。

乳糖

母乳の中には牛乳以上の乳糖が含まれていますが、乳糖は一定のペースで分解・吸収されるため、砂糖やその他の糖分と比べると急激に血糖値を上げるなどの問題を起こさないのが特徴です。また、乳糖にはカルシウムの吸収を助けたりビフィズス菌の成長を促すといった働きもあり、赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素です。

ビタミン・ミネラル

母乳の中のビタミンやミネラルは、赤ちゃんの体にふさわしいバランスで含まれています。母乳に含まれる鉄分の量は決して多くありませんが、赤ちゃんはその半分近くを吸収することができます。 牛乳に含まれる鉄分の場合は一割程であることを考えると、母乳は非常に効率がいいといえるでしょう。そのため、生後6ヶ月以上母乳で育った赤ちゃんが鉄欠乏性貧血を起こすことは稀です。